Thinking Mathematically by J. Mason っていったいどんな本なの？
デート大学による『Thinking Mathematically by J. Mason』のご紹介
『Thinking Mathematically, 2nd Edition』は、J. Mason, L. Burton, K. Staceyによって書かれ、2010年にPearsonから出版された数学に関する書籍です。この本は、数学の考え方や問題解決のアプローチを深く探求することを目的としており、特に数学的な思考のプロセスに焦点を当てています。数学を学んでいく上での「考え方」に重きを置き、数学的な問題をどのようにして解決するか、またはどのようにアプローチするかについての指針を提供しています。
内容の詳細
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数学的思考の強調
本書は、数学を単なる計算や公式の暗記のためのツールとして捉えるのではなく、数学的思考法を身につけることに重点を置いています。数学的思考とは、問題をどのように理解し、どのように論理的に解決策を導き出すかというプロセスです。このようなアプローチは、特に学び始めの段階にいる学生や、数学をより深く理解したいと考える読者にとって有益です。 -
問題解決における戦略
この本は、数学の問題を解く際のさまざまな戦略を紹介しています。たとえば、問題を分解する方法や、問題を他の問題と関連づけて解く方法などが説明されており、直感的な解法から論理的なアプローチまで、広範囲にわたる手法が取り上げられています。これにより、読者は自分なりの解法を見つけることができるようになります。 -
数学を学ぶ上での心構え
本書はまた、数学を学ぶ際の心構えや姿勢についても触れています。数学に対する不安や恐れを克服し、数学を楽しみながら学ぶためのアプローチを提案しています。数学が抽象的で難解だと感じることが多い学生に対して、数学を「考える」楽しさを教えています。 -
具体的な問題と実践的な例
本書には、具体的な数学的な問題や実例が多数含まれており、読者が実際に問題解決を行う練習をすることができます。これにより、学んだ理論や戦略が実際にどのように応用されるかを理解することができます。 -
クリティカルシンキングの育成
「Thinking Mathematically」のタイトルが示すように、単に数学的なテクニックを学ぶのではなく、批判的思考を養うことが目的の一つです。問題に対する解法を一つだけでなく複数の視点から考え、最適な解決方法を見つけ出す力を身につけることができます。
本書の特徴
- 全体的なアプローチ：数学を「考える」ことに重きを置いており、単なる解答を得ることではなく、その過程や思考法に焦点を当てています。
- 段階的な学習：数学の基礎的な思考から、より高度な問題解決技法まで、段階的に学べる内容となっています。
- 実践的な練習問題：読者が実際に手を動かして学べるよう、実践的な問題や演習が豊富にあります。
- 他分野への応用：数学的な思考方法は数学だけでなく、日常生活や他の学問分野にも応用できるため、学んだ内容を広く活用することが可能です。
各章の解説
『Thinking Mathematically』の各章について説明します。
1. Everyone can start
この章では、数学に対するアプローチの始まりについて説明します。誰でも数学的な思考を始めることができるというメッセージが伝えられています。数学は特別な才能を必要とするものではなく、日常的な問題解決の一環として誰でも挑戦できるものだという考え方です。数学を学ぶために特別な準備や背景は不要であり、全ての人がスタート地点に立つことができることが強調されています。
2. Phases of work
この章は、数学的問題解決のプロセスにおけるさまざまな段階について解説しています。問題解決は一度に全てがわかるわけではなく、複数の段階を経て進んでいきます。たとえば、問題を理解し、アイデアを考え、試行錯誤を重ね、最終的に解決に至るといった流れです。問題解決の各段階で必要なスキルやアプローチが紹介されています。
3. Responses to being STUCK
この章では、数学の問題に取り組んでいるときに「行き詰まり」を感じた時の対処法について議論しています。行き詰まりを感じたとき、どうすれば前に進めるかという方法論や心構えが紹介されています。例えば、一度立ち止まり問題を再確認したり、異なる視点から問題を見直したり、他の人の意見を求めることが効果的であることが説明されています。
4. ATTACK: conjecturing
ここでは、「予想を立てる（conjecturing）」という行為に焦点を当てています。問題解決の初期段階で、問題の解決方法を予測し、仮説を立てることが重要だと説いています。この章では、予測を立てることで問題解決に向けた道筋が見えてくること、そしてその予測をどう深めていくかについて学びます。
5. ATTACK: justifying and convincing
「正当化と説得（justifying and convincing）」に関する章で、数学的な考えや解法がただの意見ではなく、論理的に正当化され、他者を納得させる必要があることを強調します。数学的な証明や論理的な説明は、解答が正しいと確信を持たせるために不可欠です。数学の議論において、証明や根拠をどう示すかが鍵となります。
6. Still STUCK?
「まだ行き詰まりを感じる？」というテーマで、問題解決が行き詰まった場合にどうすればよいかを考えます。行き詰まりを解消するための新たな方法を模索し、異なるアプローチや視点を探る重要性が述べられています。この章では、粘り強さや創造的な思考がどれほど問題解決において役立つかが説明されています。
7. Developing an internal monitor
「内省力を育てる」という章では、自己監視の重要性に焦点を当てています。数学的な問題を解いていく中で、自分の思考や解法の進行状況を監視し、修正する能力を養うことが大切です。問題を解く過程で、自分の解答が本当に正しいかどうかを常に疑問視し、自己評価する力を高めることが推奨されます。
8. On becoming your own questioner
この章は、自己質問の重要性について論じています。数学的な思考を深めるためには、他者からの質問に答えるだけではなく、自分自身で質問を立て、問題の本質を掘り下げていくことが大切だという点が強調されています。自分の思考過程を深く問い直すことで、より良い理解が得られ、問題解決能力が高まります。
9. Developing mathematical thinking
「数学的な思考を育てる」という章では、数学的思考とは単に計算をこなすことではなく、抽象的な概念を理解し、問題を解決するための方法を体系的に考える力を養うことに関する内容です。数学的思考力を伸ばすためには、理解と解答を単純に覚えるのではなく、問題の背後にある構造や法則に注目することが大切だと説いています。
10. Something to think about
この章は、読者に対して考えさせる内容を提供する章で、数学的な問題やその解法を通じて、数学がどのように日常生活に応用できるか、またはどのように他の学問や分野と関連するかを考える機会を与えています。数学的な思考がどのように他の問題解決スキルと結びつくか、深く考えさせられる内容が展開されています。
11. Thinking mathematically in curriculum topics
この章では、数学的思考をカリキュラムの各トピックにどう適用するかについて議論しています。教育課程の中で、数学的思考をどのように育成し、応用するかが説明されています。数学の学びが、単なる数式の学習にとどまらず、問題解決や論理的思考を深めるための強力なツールとなることが示されています。
これらの章を通じて、数学的思考を深め、問題解決力を向上させるための方法や心構えが、具体的に提示されています。
まとめ
『Thinking Mathematically』は、数学をただ学ぶのではなく、数学的な考え方を深く理解し、問題解決能力を高めるための書籍です。数学的な直感を養い、論理的に思考する力を身につけるための貴重なリソースとなります。数学の勉強をただの公式や定理の暗記にとどめず、実生活や他の分野における応用を意識した学びを提供してくれる一冊です。
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